何らかの対処が必要となる変化のことをストレスといい、ストレスが過剰にかかり続けると、時に健康などに害を及ぼすこともある。ストレスをうまくコントロールすることをストレス・マネジメントといい、非常に重要なことだ。ストレス・マネジメントは、個人で行う人も多いが、企業などの団体で実施することもある。企業は、ある程度の規模を超えると、従業員の心身の健康を守るために、ストレスチェックをしなければならない。このストレスチェックを行ったうえで、ストレス・マネジメントをすることで、生産性の向上や職場環境の改善、パワハラ改善などといった様々なメリットが企業には生じる。企業で行われるストレス・マネジメントにはいくつかの種類がある。
ひとつが従業員自らが行うセルフケアだ。従業員一人一人がストレスの原因と反応を探り、ストレスコーピングを行うというものだ。ふたつ目が管理者が従業員のストレス・マネジメントを行うラインケアというものだ。リーダーや課長といった上司に当たる人が、部下の態度や働き方、健康状態などを観察して、適宜労働環境を整えるほか、専門家へと連絡することをいう。いつもと違うところがないかという観察眼を持つとともに、普段から相談しやすい関係を構築することが重要となる。三つ目が専門家によるストレスマネジメントだ。企業に所属している産業医をはじめ、衛生管理者、カウンセラーなどの専門家、あるいは外部の専門家と連携してストレス・マネジメントを行う。